3月1日午後に道後椿の湯の2階で「第6回道後温泉本館保存修復計画検討委員会」が開催され傍聴させて頂きました。
道後温泉本館は、明治27年に建造された神の湯本館棟に、その後数度の増築によって現在の本館建物(木造3階建て延べ床面積は約1,650m2)が形成されています。
明治時代の温泉施設が、こんなにきれいに残っているのは日本でここだけと云われ、平成6年には近代和風建築としてのすばらしさと保存状態のよさから、温泉施設として全国で唯一の国の重要文化財に指定されました。
この本館も建物の老朽化が進み、また耐震性の向上を図ることや古い給排水、電気設備の改修、補修が懸案になっておりました。
松山市は、平成14年度から学識経験者をはじめ専門家、観光関係者などからなるこの検討委員会を設置し、建築当時の風情を残しながら今後100年保存活用するため、保存修復の方向性や実施手順、方法などを検討してきました。
その中で、いかにすれば利用客の減少を最小限にとどめられるかという問題に対して、本館の全面閉館ではなく、一部営業しながら修復する方向を決め、全国で初の営業しながらの重要文化財の保存修復という大事業を、工事期間11年間の予定で改修することが決められ、今日の委員会では市側の提出した修復保存工事の基本的な手順、方法、工程などが最終的に了承されました。
営業しながらの修復保存工事のため、入浴できる浴槽が減ってしまうために、1つの浴槽を男性用と女性用に日替わりで使用するとか、1つの浴槽を仕切って使用するなどの工夫が必要になります。耐震強化については板壁を増やすことでクリアし、これまでの改修工事で系統が複雑になった電気や排水設備を保守点検がしやすくするための工事も行われます。また最新のライトアップも今後検討されます。
市としては新年度に向けて細かな設計とか着工時期、工事費用の検討を行って予定であります。
しかし、いくらの事業費がかかるのでしょうか? 大変気になりますね。おそらく数十億円単位だと思いますが・・・・・。
上記写真は左から
【今日の道後温泉本館保存修復計画検討委員会】
【観光客で賑わう道後温泉本館前と建物の全景】
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