連休中に再び坂の上の雲ミュージアムを訪れました。
市の職員や支援企業の方々が、休日返上でボランティアとして各所に立って頂き、観光客への道案内や、様々なおもてなしをされていました。本当にご苦労様でした。
ところで気になる入場者数を7日に担当課に聞いたところ、4月28日午後の開館から連休最終日の5月6日までの9日間で延べ16,197人で一日平均1,800人、最多は5月4日で2,539人とのことでありました。
建物最上階の展示場で著者の司馬遼太郎氏の想いを綴ったあとがきの一文がディスプレイされていました。
司馬遼太郎氏のこの作品での歴史観を垣間見る想いがしました。
『坂の上の雲』第2巻 【あとがき】より 昭和44年10月 司馬遼太郎
「要するにロシアは自らに負けたところが多く、日本はその優れた計画性と、敵軍のそのような事情のためにきわどい勝利を拾いつづけたというのが日露戦争であろう。
日露戦争後の日本は、この冷厳な相対関係を国民に教えようとせず、国民もそれを知ろうとはしなかった。
むしろ勝利を絶対化し、日本軍の神秘的強さを信仰するようになり、その部分において民族的に痴呆化した。
日露戦争を境として日本人の国民的理性が大きく後退して競争の昭和期にはいる。
やがて国家と国民が狂いだして太平洋戦争をやってのけて敗北するのは、日露戦争後わずか40年後のことである。
敗戦が国民に理性を与え、勝利が国民を狂気にするとすれば、長い民族の歴史から見れば、戦争の勝敗などというものは、まことに不思議なものである。」
上記写真は左から
【坂の上の雲ミュージアムの建物正面の画像】
【坂の上の雲ミュージアムから県立美術館分館郷土美術館萬翠荘を望む】