4日会派の3名の男性議員と共に、東京都杉並区役所を訪問しました。
今回の研究テーマは下記の2項でした。
Ⅰ.「レジ袋削減条例」(レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例)について
Ⅱ.地域電子マネーについて
の2点で、どちらも全国初の取り組みであり、大いに学ばせて頂きました。
Ⅰ.レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例について
○杉並区では、市民一人ひとりの意識で環境負荷を低減できるものの象徴として、レジ袋削減を捉え、区民、事業者からなるレジ袋削減推進協議会とともにレジ袋削減・マイバッグ持参運動を行い、削減に当たって最も有効である有料化等の経済的な誘因のある取組みを推進するよう、レジ袋削減推進協議会から条例制定の要望があり、区議会での条例制定に至りました。
○条例制定までの経溝については、
・初めは平成12年に地方分権一括法の施行により、法定外目的税の創設が可能とな ったことを受け、区として新ししくレジ袋への課税が検討された。
・平成14年3月区議会に於いて、「すぎなみ環境目的税条例」が可決され、レジ袋1枚につき5円、施行時期については地域経済の状況、買物袋持参の普及状況等を勘案し改めて議会の同意が必要として未定になる。
・平成16年11月杉並区レジ袋削減推進協議会から「杉並区内に於けるレジ袋有償頒布の推進を求める要望書」が提出された。
・平成20年3月区議会において、「杉並区レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」が制定された。
○条例の対象は、年間20万枚以上レジ袋を使用しているスーパーやコンビニなど。
条例施行後2年間でマイバック等持参率60%以上を目標とした。
○条例制定前の平均マイバック等持参率 21.6%
条例制定後の平均マイバック等持参率 32.0%
レジ袋削減枚数 1,000万枚/年
○課題としては、対象事業所220の中で、8割を超えるコンビニエンスストアに関して、有料化、キャッシュバック、ポイント制などの経済的な誘因のある取りくみがされてなく、レジ袋の削減が進んでいない。
そのため目標の60%を達成するにはコンビニエンスストアのマイバック等の持参率アップがカギになるとのこと。
Ⅱ.地域電子マネーについて
○こちらも全国初の取り組みであるが、杉並区は来年度をメドに電子地域通貨を導入する予定である。
新しい通貨単位を設け、区内の商店で使える共通商品券と、区が子育て支援や高齢者の社会活動促進を目的に配るポイントを1枚のICカードにまとめて搭載する。
○杉並区で民間企業から提案を受けて、フェリカポケットマーケティング(東京・品川)と杉並区が支給する 助成金や商店街の金券などのICカードによる管理を始める。
またボランティア活動参加のポイントなども電子マネー化し、「電子地域通貨」のカードにためられるようになる。
この電子地域通貨は区内の店舗だけで利用できるようにしたり、使用期限を自由に設定したりできる。
商店街で使う金券やポイントでも活用できるため、官民のサービスを一枚で利 用できるようになる。
利便性の高いこの電子マネーカードを活用することで 地域の消費活動の底上げにつなげ、行政コストの削減も目指すものである。
○私の感想としては、杉並区の今回の試みではICカードに多くの特典を付加することで、主婦層や高齢者層にも受け入れやすい、利便性の高いものになると思う。
行政の負担するこのカードの運営費は、利用者が増えることで減るとのことで、最終的には、行政の負担をゼロにしたいと云われていた。
杉並区でこの手法が成功すればおそらく全国にも波及すると思われる。
午後には、台東区根岸にある子規庵を訪れました。
○現在の子規庵は、戦災で焼失した後、昭和25年に再建され同27年東京都文化史蹟に 指定されて現在に至っている。
今回初めて訪問させて頂きましたが、別にどうということのない、ごく普通の木造家屋である。
当然、家全体が古びており、約100年ほど前、子規がふるさと松山を離れ、結核に病み、ここに住み、高浜虚子や伊藤左千夫、長塚節が出入りし、ここから我が国の俳句革新運動が始まったと思うと、感慨無量であった。
○現在、この建物は財団法人「子規庵保存会」が管理しています。親切、丁寧な説明、解説をして頂きました。感謝。
○残念ながら室内、庭の写真撮影は不可でしたが、病状悪化の子規にとって全世界であった狭い庭も見せて頂きました。