近年、局地的な豪雨や台風などの自然災害が頻発し、地域防災力の強化が課題となるなか、消防団の重要性が改めて注目を集めています。
また記憶に新しい東日本大震災では、団員みずからが被災者であるにもかかわらず、救援活動に身を投じ、大きな役割を果たしましたが、その一方で、住民の避難誘導や水門の閉鎖などで198人の消防団員が殉職し、命がけの職務であることが全国的にも知られました。
そのよう中、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律、いわゆる消防団支援法が成立し、消防団を将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない代替性のない存在と定義し、地域防災のかなめの存在である消防団員の処遇改善や装備の充実を規定したものです。
私は消防団支援法に基づき、平成26年3月議会の代表質問で、本市の消防団員の処遇改善、及び団員の生命を守るための装備の充実について質問いたしました。
その結果、本年4月から、出動に係る費用弁償について、これまで4時間未満3,000円、4時間以上3,300円が上限でしたが、8時間以上の災害の防御活動のため出動した場合について、国が示す交付税単価である7,000円を支給することを追加し、長時間の災害対応を行う団員に対する処遇の改善が行われました。
また、消防団員の装備に於いては、共に全国初となる取り組みが発表されました。
先ず、災害応急活動支援システム「多助」が、夏頃を目処に、消防団員の個人所有のスマホにアプリがダウンロードされ、使用方法の講習会などを行うとのことです。
この「多助」は、一般財団法人・消防科学総合センターと日立の共同開発で、現在松山市で実証実験が行われています。
このアプリで、緊急時の全隊員へのメールでの一斉指令伝達が可能で、また災害状況の画像の送信、GPS情報での位置情報の発信、スマホ同士での音声通話(トランシーバー機能)などの多くの機能を持たせた優れもののアプリです。
現在、スマホだけでなく、従来のガラケーでも利用出来る機能を増やすための開発研究中とのことです。
2つめは、松山市内にある帝人株式会社が開発した難燃素材「アミラド繊維」を使用した消防団員向けのハッピを松山市消防局と共同開発し、年内に全消防団員に配布する予定です。
従来の綿100%のハッピとの燃焼実験結果は、上記の画像にあります。
より難燃性の高いハッピを着用することで消防団員の安全性が高まることを期待しています。
上記画像は左から
【アプリ「多助」をスマホにインストールし、実演中】
【難燃素材を使用したハッピをきてみました】
【難燃素材「アミラド繊維」のパンフレット、燃焼マネキンテスト結果掲載】