2020年6月11日に開かれたトヨタの定時株主総会の壇上、話題が2021年3月期決算の業績見通しに及ぶと、豊田章男社長はおもむろに、「ロバと老夫婦のはなし」を語りだした。
・・・ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いていると、こう言われます。「ロバがいるのに乗らないのか?」と。
また、ご主人がロバに乗って、奥様が歩いていると、こう言われるそうです。「威張った旦那だ」
奥様がロバに乗って、ご主人が歩いていると、こう言われるそうです。「あの旦那さんは奥さんに頭が上がらない」
夫婦揃ってロバに乗っていると、こう言われるそうです。「ロバがかわいそうだ」
要は「言論の自由」という名のもとに、何をやっても批判されるということだと思います。
最近のメディアを見ておりますと「何がニュースか?は自分たちが決める」という傲慢さを感じずにはいられません。
「一億総ジャーナリスト」と言われるくらい誰もが情報を発信できる時代です。
情報によって人を傷つけることもできれば、元気にすることもできると思います。
大切なことは、「その情報を伝えることによって、何を実現したいのか」ということだと思います。
もっと言いますと、「どんな世の中をつくりたいか」ということです。・・・・・
先日、トヨタ自動車は、オリンピックに関するテレビCMの国内放映や、豊田章男社長ら関係者の開会式出席を見送ると表明しました。
トヨタがオリンピックのCMはしないという決定に対して、マスコミからは、「オリンピックについて世論が二分し、反対が少し上回る中、CMでお祭り気分を盛り上げ、企業イメージに重ねようとしても共感を得ることが極めて難しいと判断した結果だと思う。・・・・とありました。
果たして真実でしょうか、トヨタは北米や欧州などでもCMを放映しているそうです。
私は、最近のマスコミによる様々な角度からのオリンピック中止の報道に対して、報道は自由だが、スポンサーに対してオリンピックのCMを流して欲しいというのは勝手すぎると判断したのではないかと思います。
車の運転で例えれば、アクセルとブレーキを一緒に踏んでいるマスコミに対するトヨタの反撃と見ました。
「ロバと老夫婦のはなし」を引き合いに出し、マスコミは「その情報を伝えることによって、何を実現したいのか」ということではないでしょうか。
私の独り言でした。