今回の12月補正予算で、市の葬祭場『清光苑』の解体と、墓地に転用するための設計委託費1,900万円が議会で承認されました。そして来年17年度夏までにに解体工事が、そして来年度末までに、墓地造成工事が完了する予定になりました。
市側の説明によると、市の葬祭場『清光苑』の利用状況は、完成した翌年の平成7年の年間152件をピークに年々減少し、15年度は25件にまで減ってしまいました。
収支も単年度で600万前後の赤字が出ており、累積赤字は10年で約6,000万に達していました。
その間、市としても、会場で葬儀だけではなく、お通夜が出来るような設備の充実とか、民間に管理を委託するなどの、利用者の拡大策や管理経費の削減に勤めたとのことであります。しかし、ここ10年、市内に多くの民間葬祭場が次々と完成し、サービスの面、顧客獲得の営業不足、更に利用しやすさからどうしても民間の施設に利用者が流れていったのが、利用者数の低迷に繋がっています。
施設運営をそのまま民間の葬祭場に委託することも検討されましたが、応募する企業は無いとの結論を得た結果、今回の『清光苑』を解体し、そこに新しい墓園を建設し、墓園不足に悩む市民に提供するとの方針が決定された訳であります。
葬祭場『清光苑』の概要
総工事費:9億8千万(内・建築工事費は5億6,200万)
供用開始:平成6年5月
所 在 地:松山市食場町甲38
敷地面積:約4,800m2
建物延床面積:約1,200m2
建 築 構 造:鉄筋コンクリート平屋
駐 車 場:約2,200m2
収 容 人 員:大ホール 120人 小ホール 50人
上記写真は『清光苑』
今回の件で、初めて『清光苑』を見て驚きました。本当に立派な施設です。10年前にm2当たり46万円をかけ建築しています。12月議会に上程されている仮称『坂の上の雲記念館』建設は、同じくm2あたり約43万円程度ですから、この数字を見てもいかに『清光苑』が立派な施設であるか分かると思います。
余談ですが、同じような民間の葬祭場なら、もっと充実した設備で、建設費はおそらく半分程度で出来るのではないかと思いました。
仮にこの建物を動かすことが出来たなら活用方法はいくらでもあると思いますが、回りがすべて墓園であることを考えれば、一番工夫の無い方法である、『建物を取り壊して墓園にする』これしかないのか・・・・。
非常にもったいないと感じるのは私だけではないと思います。
確かに、収支という観点では、赤字が出ればそれは市民の税金から補填しなければならないということを考えれば、大きな問題であると思います。
一方、市民サービスの観点から考えると、赤字幅だけで考えるだけでいいのか?
市内に赤字の施設は他にもあります。多少の赤字が出たとしても市民にとって必要な施設もあります。それは、市が担っていかなければならないものです。
つまり大勢の市民の皆様が、市の施設を利用して頂くこと、これが大原則であると思います。行政も議員も、今回のことを教訓にして、建てることより、先ず多くの市民が利用しやすく、市民に使って頂けるようなものを創ることを前提に計画案を起てていくべきであると感じます。
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