警視庁のデータによると、平成15年度に未成年者が喫煙で補導された人数は、全国で約54万2千人でした。平成13年度が同じく約43万7千人ですから2年間で10万人以上も増加しています。これを見ても未成年者の喫煙者数が増加していることは明白であります。
学校に於ける喫煙防止教育は、薬物乱用防止教育のなかに取り組まれています。しかし、薬物と煙草は児童生徒から見れば、存在がまるで違います。
煙草は、薬物と違い児童生徒には身近な存在です。下校時の自販機で買おうと思えば買えます。また自宅では親が吸っている場合もあります。テレビや映画では、大人が格好良く吸っている場面が溢れています。だからこそ、学校、家庭、社会での連携ある喫煙防止教育が大切になります。
そのためには、先ず小学校の低学年からの喫煙防止教育が非常に大切であると云われています。
先日、現場のある養護教諭から、喫煙防止教育の中核にあるのは、『自分たちが関わる児童生徒の健康を保持増進するために絶対に喫煙者を出さない』と云う強い思いであると伺いました。その教育現場で、果たして児童生徒のいる学校内で喫煙している先生が、児童生徒に対して喫煙防止教育が出来るであろうか?
私は、一昨年3月の市議会に於いて、市内の全小中学校、幼稚園での『敷地内全面禁煙』を実施してはどうかと質しました。その答弁として、『・・・敷地内前面禁煙を実施するかどうかは各学校長の判断に委ねる・・・(要旨)』との答弁がありました。その後県内に於いては、県立の全ての中学校、高等学校が、また四国中央市、西条市の教育委員会が相次いで『敷地内全面禁煙』を決定、実施しています。
煙草の怖さは、人の心の中までニコチンで浸食していくことだと云われます。こういった取り組みは、その組織のトップが喫煙者であるとなかなか進まないとも云われています。上記の表は、5月31日の世界禁煙デーを前に、市教育委員会が調査した喫煙防止対策状況であります。
ここで合併前の旧松山市内の学校に限って見た場合、この1年で敷地内全面禁煙実施校は、僅かに4校しか増えていません。(小学校:34校→36校 中学校:13校→15校)
更に不思議なのは、昨年の調査で17年実施予定になっていた小中学校7校のうち5校が実施されていない。また昨年度に、椿、福音小学校、日浦、旭中学校は、敷地内全面禁煙であったのに今年度は、建物内全面禁煙、建物内喫煙場所設置と大きく後退している学校まであることです。
何故、このようなでたらめな対応になるのか? 県、他市に出来て、松山市は進まないのか?
今こそ、子供達の健康を守っていくために、市教育委員会は学校施設に於ける『敷地内全面禁煙』を宣言すべきである。
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