6月に、松山市紅葉町に住む大塚さんからこんな苦情を頂いた。
「3月に松山城のロープウェイ駅舎が改築され、全面的にバリアフリーになり、これで車いすの障害者である私も城山に行けると楽しみにしていた。そしてゴールデンウィークに県外からきた障害者の友人と、城山に行きました。
しかし、たしかに駅舎から無事ロープウェイには乗れましたが、上の長者ヶ平(ちょうじゃがなる)の駅舎を降りて、松山城の登道に入ろうとしたら、介添えの方の助けを頂いても重い電動車いすでは登れなくて、結局上の駅舎の横でお弁当を食べたそうでした。
とても残念でした。・・・」 とのことでした。
そこで、7月5日午後に、実際に電動車いすで松山城には上れないのか、実際に登って頂き検証をしました。
電動車いすで登る大塚さん、松山城総合事務所の所長さん、職員さん、そしてたまたまその日から職場体験に来ていた、市内の小野中学校2年生の2人、そして私の6人がいざ本丸を目指して登りました。
健常者にとっては、簡単に登れる、渡れる石の階段や溝が、障害者にとっては実にきついことがよく分かりました。
100キロ近くある電動車いすは人力ではなかなか持ちあげられません。しかし、電動の強力なパワーが無いと、急坂は上がれません。
結局、5人の協力で、通常の約3倍近くの40分かけて、大塚さんは本丸あとの広場まで上がることが出来ました。
大塚さんからは「生まれて初めて松山城に登って、初めて市街地を見ることが出来て本当に嬉しい。素晴らしい記念になりました。」と、大変に喜んで頂きました。
文化庁の所管になる松山城などの史跡の場合、建物以外の道とか溝の改修も厳しい規制を受けると伺っていますが、今後障害者にも優しい松山城にするために、今後、市としても様々な工夫が必要であると感じました。
上記写真は左から
【ロープウェイにはスムーズに乗れました】
【駅舎に降りる時は、手作りの段差解消ステップが必要です】
【降りてすぐの溝にあるグレーチングの隙間に車いすの車輪が落ちそうです】
【段差の大きい石段は、バックで登らないと無理でした】
【石畳の段差は、段差解消ステップが必要です】
【本丸にたとりつき、改修中の天守閣の説明を受ける】
【同行して手伝ってくれた職場訓練中の小野中学生2人とはいチーズ!】
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