(笠 岡 市)
11月8日、朝8時30分、岡山県笠岡市の市専用桟橋から、今回行政視察させて頂く「夢ウェル丸」に乗船し、この日の巡回先である笠岡諸島の高島を目指しました。
この船は、日本初の福祉サービス船で、全長25M、幅6Mで総トン数99トンで定員80人で約2億円の建造費です。 この船の就航は平成5年1月で既に12年間に渡って、7島にある12の港に月2回程度巡回停泊し、高齢者の方々に本土のディサービスセンターと同様のディサービス、リハビリや入浴、給食サービスなどを提供しています。
乗船クルーは、市職員1人、運航会社3人、看護士1人、介護士2人、ボランティア3人で10人が乗船します。
笠岡諸島は全人口約2700人で、100人程度から約1300人までの7つの島で構成されており、現在の高齢化率は(65歳以上が占める人口比)55%と高率であります。 この日、巡回した高島は、人口135人の小さな島でしたが、約20人の高齢者が利用し、ある利用者からは風呂が楽しみと云われていました。
市の担当者に依ると、船の所有は笠岡市ですが、運航は地元の海運会社へ委託、また介護サービスは、特別養護老人ホームから職員が派遣されています。
気になる市の支出額ですが、以前は県との折半でしたが、現在は全額市の負担で、年間5,000万円程度とのことでした。
上記写真は左から
【夢ウェル丸前で、大変お世話になった女性乗務員の方と】
【高齢者、障害者に優しい電動リフトも装備、説明して頂いた笠岡市の中塚さん】
【この船の目玉の入浴サービス室】
【リハビリ室でサービス受ける高島の高齢者のみなさま】
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(倉 敷 市)
午後は、電車で移動し倉敷市役所を訪問し、「倉敷市乗合タクシー事業」の説明を市の職員の方から受けました。
これは市郊外の大規模住宅地にあったバス路線が廃止になったため、地域住民の「自らの足は自らが守る」との決意によって発案され、市が支援して素晴らしい成果が出ている事業です。
現在この事業は、現在市内の3地区で実施されており、年間延べ15,000人が利用しています。
特に西坂地区では、地元町内会が中心になって協議会を立ち上げ運営しています。
協議会とタクシー会社が契約し、乗合運行で住宅団地から倉敷駅まで8Kmを大人1人500円、子ども300円で運びます。
乗合と云うことで、バスより少し高いけれど、タクシー1,800円と比べるとはるかに安く設定しています。
仕組みはこうです。タクシー会社との契約時に、運行費の3割をタクシー会社が負担、つまり値引き、残りの7割を運賃収入で補填しますが、それでも足らない赤字部分の2割を地元町内会が負担、8割を市が負担するもので、ポイントは地域住民が赤字部分の一部を補填するところにあります。
地域住民が負担するとしたことで、住民の意識が変わり利用が増えたということです。
昨年度の赤字部分の倉敷市の補填額は、なんと32万円でした。また町内会の負担は8万円でした。
説明された市職員からは参考ですがと前置きし、市内にあるバス路線撤廃後のコミニュティーバス路線では、年間3万人を運んで市の負担が2,000万とのことでした。
この西坂地区では、今後運営団体としてNPOを立ち上げ、様々なサービスを付加して事業化を目指す動きがあるとのことです。
他の2地区も同様に地域町内会は少ない負担で運営されているとのことでした。
この乗合タクシー事業も問題がないわけではないが、地域住民の意識が変われば、かなりの部分の克服が可能とのことでした。
【上記写真は、倉敷市役所で説明を受ける様子】
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