新年度より松山市での妊婦検診に於いて「ヒトT細胞白血病ウィルス1型抗体検査」が追加され、公費でこの検査が受けられるようになりました。
私は平成21年9月議会で、「ヒトT細胞白血病ウィルス1型抗体検査」(HTLV-1ウイルスの抗体検査)の検査費用の助成制度の創設を要望していました。
以下の文章が質問の一部であります。
「・・・・現在では、妊娠中にウイルスのキャリアの検査を行い、母親がキャリアであれば、乳児には母乳を直接飲ませるのではなく、完全人工栄養にしたり、母乳を与える期間を短くするなどの感染対策をきちんと行うことで、母親から子どもへの感染は97%防げるデータ結果もあります。
既に鹿児島県では、キャリアであるかどうかの抗体検査で陽性になった妊婦に対して、授乳指導を行い、感染を抑制するなどのウイルス撲滅に向けた対策に力を入れております。
更にこの抗体検査費用について、中核市では鹿児島市、盛岡市、秋田市、宮崎市、高知市などで、妊婦健康診査時の無料抗体検査を実施しております。
しかしながら、愛媛県内の自治体でHTLV-Ⅰウイルスの抗体検査の無料化は行われておりません。また愛媛県は、HTLV-Ⅰのキャリアの実態について、ほとんど把握していないと伺っております。
先ず1点目は、一般市民、妊産婦への周知徹底を図るとともに、キャリアに対してきめ細かい対応をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
2点目は、本市において、妊婦健康診査時の抗体検査費用の助成制度はできないでしょうか、お伺いいたします。」
その後、このウィルスの抗体検査については妊婦検診時に実施することが平成22年の参議院選挙の公明党マニュフェストにも挙げられ、今回の厚生労働省からの通達と、補正予算化で実現しました。
このHTLV―1ウィルスは、致死率の高い成人T細胞白血病(ATL)や脊髄症(HAM)を引き起こす原因ウイルスで、全国の感染者数は推計約108万人、感染しても多くの人が生涯、発病しない半面、ATLの死者は毎年1000人にも上っています。