昨年9月議会での一般質問に於いて、私は本市の下水道事業会計に上水道と同じように企業会計を導入してはどうか?理事者を質しました。
その結果17年度予算に「公営企業会計導入準備事業」として、約4750万円の予算が計上されました。
平成20年度の導入を目指し、先ず既存の管路、施設を市の資産として会計計上していくための資料収集、電子化に向けての準備などの費用となっています。
下水道使用料は、使用している市民から徴収されています。また下水道建設には多額の税金が投入されています。その税金が有効かつ効果的に使われ、市民の生活環境に役立つ下水道事業として運営されているかどうかを、民間の経営的手法である企業会計で、明確にする必要があると思います。
下水道事業の会計が明確でない状況で、何で市民負担の議論が出来るのかと思います。
企業会計の導入によって、市民負担が明確になるような情報公開も可能になります。さらに、市の職員のコスト意識も植え付けることができます。
このように、市民に対して下水道事業を理解して頂き、本市の遅れた下水道普及率を押し上げるためにも市民の一層の理解を頂けるようにしなければならないと思います。
参考:松山市の平成15年末の下水道普及率は52.9%(全国平均 約67%)
【写真は、市内で工事が進んでいる大口径下水道管路の施工状況で多額の税金が使われています。】
(質問要旨)
①下水道事業会計の透明性を確保し、下水道使用料の設定に於ける、市民に対する説明責任を果たすために、今後下水道事業に上水道事業と同じく、企業会計を導入をするお考えはあるのか。
②企業会計導入に際しての問題点は、どのようなことが想定されるのか。
(市長答弁要旨)
①現下の厳しい財政状況において、下水道事業の経営の健全性を維持し、発展を目指す ためには、経営状況を明確に把握することが大変重要である。
②導入に際しての問題点としては、本市が下水道事業に本格的に取り組み始めた昭和33年からの膨大な量の資産を現時点で適正に評価し、固定資産として計上すること、そして、企業会計処理のための電算システムの構築、さらに、新たな事務処理フローの策定など、多くの事務量が必要となります。
③企業会計導入により、複式簿記を用いて損益取引と資本取引を区分して経理することなどを通じて、経営状況が明確となり、その分析から健全な経営が維持できる投資レベルを的確に把握し、下水道の安定経営を目指した長期的な経営計画の策定が可能となる。
また、企業会計の導入で適切な経費負担区分を前提とした独立採算制の原則が職員の意識に浸透することで、経営意識の向上が図られコスト縮減にもつながる。
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