視察2日目は、大分県国東市を訪問し、全国的に話題になっている「黄色い旗運動」について視察しました。
国東市は平成18年に4町が合併し誕生し、人口は34,000人で65歳以上の人口比である高齢化率は35.4%と大変高く、更に高齢者世帯の2/3が独居であるとのことでした。
説明をして頂いた国東市ボランティア協議会の松本保会長から、数年前に40日以上経過した遺体が見つかる孤独死がありました。
昔は隣近所が要らん話をしながらお互いにお世話をしていた風習が薄くなり、近所つきあいが希薄になってきたと現状を何とかしなければと思い、延岡市北川町で取り組まれていた玄関先などに黄色い旗を出して安否確認をする運動の趣旨を聞き、国東市でもと平成20年からこの運動を始めているとのこと。
黄色い旗運動の内容は、朝起きたら、道路から見える場所に黄色い旗を立てます。また外出時もそのままで、夕方に旗を仕舞います。
もし、旗が出ていなかったり、夜になってもそのままだったりする時に、近隣の方が訪問し安否を確認するとのこと。
この地域での運動の成功の要因は、その地区の全世帯を対象にしていることであります。
全国でもこういった旗を使った安否確認はありますが、継続が困難であったのは、高齢者世帯のみを対象にしたからで、悪徳訪問販売のターゲットのなったからだと云われていました。国東市のこの運動実施地区ではこういった被害が非常に少ないとのこと。
それは、この運動で近隣、近所に対して関心を持つようになり、地区住民の警戒心が高まりその結果、悪徳訪問販売の被害が出ないと分析されていました。
国東市内に130地区の集落がありますが、特に高齢化率が50%を超える集落が22地区あります。
現在、その内の7地区がこの運動を実施しており、現在7地区が新規参加の申し出があるとのこと。
この運動は、一人暮らしの高齢者の見守りを目的としていますが、それだけであれば、センサー付きの家電製品や通報システムなどの導入で可能です。
しかし、それでは「誰もが安心して暮らせる地域」とは云えないのではないか。
この運動の目的は、地域内コミュニケーションを高めることであるとのこと。
「自分たちの地域は自分たちの手で守る」と云う意識が全ての地域住民に浸透することを目指しているとのことでした。
松本会長は、更なる継続を目指し、黄色い旗運動のサミットを開きたいと云われていました。
上記画像は左から
【長崎市議会公明党の2市議と一緒に説明を受けました】
【現在高齢者対策として緊急持ち出し品ボックスも好評・右側が松本保会長】
【市内の諸田地区(42世帯)で実際の黄色い旗運動を視察・同行の大塚議員と】
【道に沿って3軒のお宅で旗を揚げていました】