昨年1月に、私の家の近くに松山観光港に通じる県道松山港線が開通しました。
その県道沿いの歩道を歩いていて、緑地帯の樹木の根本に炭らしきものが敷き込まれていることに気づきました。(左記写真参照) この県道を管理している松山地方局に確認し、これは竹や間伐材から作った炭を街路樹の回りに敷くことで雑草の繁殖の抑制が狙いの実証実験で、県と愛媛大学研究グループが行っているとのこと。
早速、この実験に携わっている愛媛大学農学部の鶴見武道助教授を訪ねて詳しいお話を伺いました。
「放置竹林」は、安い中国産のタケノコの輸入増加で面積が拡大しており、その結果、水源地などでは周辺山林を浸食し、山林の保水力の低下など環境面への影響が懸念され対策が急がれています。
松山市に於いても、年々拡大をする「放置竹林」の対策として、毎年多額の費用を使って竹林の伐採を行っていますが、伐採が竹林の面積拡大には追いついてないのが現状です。(17年度予算では108万円)
鶴見助教授のお話では、昨年の夏からこの実証実験は始まりましたが、途中のデータではありますが、雑草の抑制は、26:1に押さえられているとのこと。この驚異的な数字に驚きました。緑地帯に敷き込まれた約10センチから15センチの竹炭には雑草の抑制の他に
・竹炭の高い保水性に依って、土壌の乾燥防止
・自動車の排気ガスによる酸性雨の中和による植栽木の保護
・地中に浸透する雨水の浄化による地下水の水質改善
・竹や間伐材の焼却処分ではなく、炭化による永久固定による地球温暖化防止
などの効果が期待できるとのことであります。
まだ実証実験の途中ではありますが、はっきりと樹木の葉の色の違いが分かります。竹炭を敷いたところは葉が鮮やかになっています。一度、車を止めて観て下さい。違いが分かります。場所はここです。
竹炭には、このような働きのほか、臭いの吸着や浄化力、電磁波の吸収力にも優れており、17年度には松山市内の河川に竹炭を沈めて、河川の悪臭防止、水の浄化の実験も予定されています。
放置竹林対策として、竹炭の有効活用という松山発の日本初の試みに注目しています。